3.売電価格による利益シミュレーション

シミュレーションを行う理由は、主に以下の3つです。

1.投資の回収期間を把握するため
導入にかかる費用を正確に見積もり、売電によって回収できる時期を知ることができます。

2. 将来的な利益を見込むため
長期的な視点で、どの程度の利益が期待できるのかを確認できるため、計画的な資金管理が可能です。

3. 政策や市場変動に応じた対応の準備
将来的な売電価格の変動を考慮に入れることで、必要に応じた対策を講じることができます。

具体例として、シミュレーションを行う際に考慮すべき要素には以下のようなものがあります。

発電能力
設置した太陽光発電システムの最大出力（kW）が重要です。
発電量
季節や地域による太陽光の照射量を考慮し、年間の発電量を算出する必要があります。
売電価格
地域によって定められている固定買取価格 （フィードインタリフ）を基に設定します。
この価格は通常、経済状況やエネルギー政策によって変動します。

たとえば、ある家庭が5kWの太陽光発電システムを設置したとします。

このシステムが年間で6,000kWhの電力を発電すると仮定し、
売電価格が1kWhあたり20円で設定されています。この場合、以下の計算が成立します。

年間収入 = 年間発電量 × 売電価格
年間収入 = 6,000 kWh × 20円 = 120,000円

このように、年間で120,000円の利益が見込まれます。

ただし、初期投資や維持費も考慮する必要があります。

一般的に、初期投資が100万円、維持費が年間5万円と仮定すると、
実際の利益は以下のようになります。

実質利益 = 年間収入 - 年間維持費
実質利益 = 120,000円 - 50,000円 = 70,000円

この結果から、売電による利益は70,000円となります。
このように、具体的な数字に基づいてシミュレーションを行うことが重要です。

それでも、太陽光発電システムを導入することによる環境効果や、
将来的なエネルギーコストの削減といったメリットも無視できません。
したがって、売電価格の利益シミュレーションはあくまで参考として位置付け、全体の視野で判断することが求められます。
最終的には、自身に合った最適な計画を立てることが重要と言えるでしょう。